クラウドワークスで仕事を探していると、「文字起こし(テープ起こし)」という案件をよく見かけませんか?
「なんだか専門的で難しそう…」 「タイピングが速くないと、とても無理よね…」 「特別な機材でもないと、始められないんじゃないかしら…」
そう思って、せっかく見つけたお仕事への応募を、ためらってしまうかもしれません。
ですが、もし**「文字起こしは、タイピングの速さよりも『丁寧さ』と『集中力』が何倍も大切な仕事です」**とお伝えしたら、少し見方が変わらないでしょうか。
実は文字起こしは、特別なスキルがなくても始められ、私たち50代が持つ「真面目さ」や「落ち着き」を最大限に活かせる、まさに「職人」のような在宅ワークなのです。
この記事では、未経験からでも安心して文字起こしの仕事を始め、月1万円の収入を目指すための、具体的な5つのコツをご紹介します。
そもそも「文字起こし(テープ起こし)」の仕事って何?
まず、「文字起こし」がどんなお仕事なのかを、簡単にご説明しますね。 その名の通り、会議やインタビュー、講演会などが録音された音声データを聞きながら、話されている言葉をパソコンで文字に打ち込んでいくお仕事です。昔はカセットテープを聞きながら作業していたので、「テープ起こし」とも呼ばれます。
お仕事によっては、文字にする際のルールがいくつかあります。
- 素起こし(すごこし): 「あー」「えーと」といった言葉や、相槌、言い間違いなども、聞こえた音をすべて文字にする方法。
- ケバ取り: 「あー」「えーと」のような、意味のない言葉(ケバ)だけを削除して、文章をスッキリさせる方法。クラウドワークスの案件で最も多いのが、このケバ取りです。
- 整文(せいぶん): ケバ取りに加えて、話し言葉を書き言葉に直し、語順を整えるなどして、読みやすい文章に仕上げる方法。少し難易度が上がります。
どちらの方法で作業するかは、必ずお仕事の募集要項に書いてあるので、安心してくださいね。
50代未経験から「文字起こし」で稼ぐための5つのコツ
それでは、いよいよ本題です。未経験からでも、ライバルに差をつけて「選ばれる人」になるための、とっておきのコツを5つご紹介します。
コツ1:無料の文字起こしツールを「下書き」に使う
いきなり音声を聞いて、ゼロから全てをタイピングするのは本当に大変です。そこで、現代の便利な「AIツール」を賢く利用しましょう。
Googleドキュメントの「音声入力」機能や、無料の文字起こしアプリ(例:Vrew)などを使えば、AIが自動で音声を文字に変換してくれます。もちろん、AIの変換は完璧ではありません。誤字も多いですし、誰が話しているか分からなくなっていることもあります。
ですが、それでいいんです。 AIが作った文章を「下書き」として使い、あなたは自分の耳で音声を聞きながら、その下書きを修正していくのです。この「仕上げ」の作業こそが、あなたの仕事の価値になります。ゼロから始めるより、何倍も効率的に、そして楽に作業を進められますよ。
コツ2:音を聞きやすくする環境を整える
文字起こしは、何よりも「正確に聞き取れること」が命です。そのために、高価な機材は必要ありません。ほんの少しの工夫で、作業環境は劇的に改善します。
それは、イヤホンかヘッドホンを使うこと。 100円ショップで売っているような、ごく普通のもので構いません。パソコンのスピーカーから直接聞くのとは、音声のクリアさ、細かい部分の聞き取りやすさが全く違います。周りの生活音もシャットアウトできるので、集中力もぐっと高まります。
『ノイズキャンセリング機能』付きのヘッドホン

100円ショップのものでも良いですが、本気で始めるなら、少し投資して『ノイズキャンセリング機能』付きのヘッドホンを選ぶのが断然おすすめです。
コツ3:ショートカットキーを3つだけ覚える
文字起こしの作業中は、「再生して、聞き取れなかったからちょっと巻き戻して、また再生して…」という動作を、何百回と繰り返します。そのたびにマウスを操作していては、時間がかかって大変です。
そこで、再生ソフト(Windows Media Playerや、VLC Media Playerなど)で使える、便利な**「ショートカットキー」を3つだけ**覚えてみてください。
- 再生/一時停止 (多くは
スペースキー
) - 少し巻き戻す (例:
←
(左矢印キー)) - 少し早送りする (例:
→
(右矢印キー))
この3つをキーボードだけで操作できるようになるだけで、作業スピードが見違えるほど上がります。
コツ4:最初は「10分以下の短い音声」の案件から選ぶ
お仕事を探すときは、報酬額だけでなく、必ず**「音声の長さ」**を確認しましょう。 初心者の場合、10分の音声を文字にするのに、1時間以上かかることも珍しくありません。
いきなり60分などの長い案件に応募してしまうと、途方もない作業時間に心が折れてしまう可能性があります。 まずは、「音声5分」や「10分以内」といった、短い案件から挑戦しましょう。短い案件で成功体験を積むことが、継続への一番の近道です。
コツ5:分からない言葉は「〇〇」と書いて、正直に報告する
音声を聞いていると、どうしても聞き取れない専門用語や、話が重なって不明瞭な部分が出てきます。そんな時、適当に推測して入力してしまうのが、一番やってはいけないことです。
クライアントにとって、一番困るのは「間違った情報」が納品されること。 聞き取れなかった部分は、正直に**「〇〇(聞き取れた音)」や「※聞き取り不能」**などと記載し、納品時にクライアントに報告しましょう。
例えば、 「納品テキストの5分23秒部分の〇〇様のお名前が聞き取れず、『※タナカ様?』と記載しております。お手数ですが、ご確認いただけますでしょうか。」 といった一言を添えるだけで、クライアントは「なんて丁寧で、信頼できる人なんだろう!」と感じてくれます。
番外編:長く続けるために。体への投資も忘れずに*
長時間同じ姿勢でパソコン作業をするのは、想像以上に体に負担がかかります。特に50代にとっては、健康への配慮は切実な問題です。
エルゴノミクス(人間工学)設計のマウス

まとめ:「聞き取る力」と「丁寧さ」が、あなたの武器になる
文字起こしで稼ぐための5つのコツ、いかがでしたか?
- 無料ツールを下書きに使う
- イヤホンで聞く環境を整える
- ショートカットキーを覚える
- 短い音声の案件から選ぶ
- 分からない部分は、正直に報告する
この仕事で本当に大切なのは、タイピングの速さや若さではありません。 雑音の中から真実の言葉を拾い上げようとする**「真摯に聞き取る力」と、ミスなく納品しようとする「丁寧な姿勢」**です。
それは、まさに私たち50代が、これまでの人生で大切に育んできた強みそのもの。 あなたのその「丁寧さ」は、クライアントにとって何よりの安心材料です。自信を持って、ぜひ「文字起こし」の世界を覗いてみてください。